資料NO. :  56
資料名  : 8月15日と憲法・教育基本法
制作者  : H.M.さん(千葉県連絡会)
制作日  : 2004年9月14日(巻頭言から転載)
 8月15日、「第10回8.15労働者・市民のつどい」が開かれました。
 特別アピールは2名から、
 まず、自治体労働者から「絶対に赤紙は配らない」と題して、『改憲阻止は職場から』というアピール。
 次は弁護士から、「司法改革・治安立法に反対して」と国会を通過した「裁判員制度」に対して、「8割の人は『参加したくない』という声がある。」、「刑事裁判や弁護人制度に国の力が入ってくる。」とアピールをされました。

 コントは松元ヒロさん
 いつもこの集会で、参加者が楽しみにしているコント。笑いあり、「そうだ!」と思うことがあり、・・・。その中でも、「『理想を現実に近づける』、これは憲法9条が理想だというなら、現実を近づける努力をすることが大切だ」という。アピールだと思う。ヒロさんのコントにはメッセージを感じる。

 今回の講演は「改憲論は、なぜ9条を敵視するのか」と題して、講師は立命館大学教授大久保史郎さんだった。
 敗戦から59年、一代を30年と考えると今の政府も二代目の時代。
 改憲論の中身と本音として、
  •  国民の権利として、国家が動くようにしたい。
  •  国際貢献といいながら、どこの国へ大企業が行っても守れるような軍隊に。
 自民党改憲議員の56%は先制攻撃に賛成し、核兵器を使うことに64%が賛成。 核兵器を持つことには88%の民主党員が賛成しているという。
 憲法9条はなぜ生まれたのか。(先の戦争責任と平和主義)
 国がしてきた戦争を反省して、二度としないために、第一章天皇では、国民に主権を、第二章で戦争の放棄がある。
 講師は、第十章の九七条にある「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、(中略)現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」とあるこの九七条が大切だという。 また、九九条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、(中略)その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ。」として、統治行為を行う者に対し、基本的人権を守らせる義務を負わせている。
 教育基本法も憲法と同じように、前文に「(前略)われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成(後略)」とあり、第一条の(教育の目的)には「教育は、人格の完成をめざし、平和な国家及び社会の形成者として(後略)」とある。
 私は、この話を聞いて、自分が受けてきた平和教育、そして今ある憲法を守っていかないと日本はまた、おなじ「あやまち」を犯す。そうさせてはいけないと強く思った。

 講演の後、ビザが下りず日本にこられなかった韓国民主労総から、「韓日労働者の連帯で戦争を阻止しよう」とアピールがあり、民主労総のビデオを見たあと、働く者の代表から決意表明や報告があった。
 動労千葉の田中委員長は、『日本の労働運動をがんばって作り直す。』。
 航空労組労連の内田議長からは『55組合、1万4千人の連絡会です。財界は武器輸出もしたいといっている。私たちは改憲、戦争協力の法律を阻止していきましょう。』。
 東京で「日の丸・君が代」強制反対で処分された被処分者の会から「私も教え子も戦場に行かない」との固い決意表明と東京での実態報告。そして、245人の処分者の9割は高校の先生だが、「高教組は何もしてくれない」と労働組合の問題も報告された。

 最後に、主催者の西川重則さん(とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長)から「日本の戦争責任から、私たちは負を学び若い人に伝えていこう」とまとめられました。

 盛りだくさんの集会でしたが、8.15敗戦の日にふさわしいつどいでした。

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転載:2005/02/21